独自の「北九州方式」でIRカジノ誘致
キーワードは「ワイドエリアIR」
9月26日(木)、北九州市議会に対し、海外IR関連事業者より事業計画説明会が開催され、北九州市で事業を実現したいという強い意欲がアピールされました。
無所属ひとり会派の私には説明会の声がかからなかったのですが、直前に偶然に情報をキャッチでき、説明会に転がり込むことが出来ました。本当に良かったです。
参加者は共産党をのぞく主要大会派でした。
私はカジノ誘致に反対です。
カジノはIR全体の3%の面積ですが、売り上げはIR全体の85%以上を占めます。
売り上げ数字はカジノ中心のIRの本質を表しています。
今回の説明では都市開発がメインで、カジノの話はあまりありませんでした。詳しい資料(パースなど)は10月後半に配布されますが、まずは概要をお伝えします。
【これまでの動き】
北九州市では、自公を中心とする推進市議団から市に対するIR誘致要請が活発に行われてきました。本議会、常任委員会でも「IR誘致」との声が相次いでいます。
しかし、8月には複数のIR事業者からあがっていた第一候補地である北九州空港島について、「リゾート感がない」「低空飛行が心配」「騒音がある」等、事業者側からも「IR立地に適さない」との一応の結論が出されました。
そこで今回、事業者から出てきたのが、「ワイドエリアIR」。
個人的に「この手があったのか」という感想を持ちました。
これまでの北橋健治・市長のスタンスは「ニュートラルな立場で検討。深い関心」
「民間の立地提案を待つ」「事業計画が出てきたら勉強、研究する」とのことでした。今回の事業計画があがってきたことで、何らかの話は進んでいくものと思われます。
【IR事業者は「THEチームIRジャパン」】
福通株式会社(香港), The Innovation Group(米国コンサルティング)で形成するグループ
【誘致を推進団体は「北九州市IR推進協議会」】
北九州中小企業経営者協会が中心。
会長=堺俊治・(一社)北九州中小企業経営者協会会長。
事務局次長=井上秀作市議(自民)
【「ワイドエリアIR」とは「広域IR」】
説明されたことをメモしたものです。
①IRは一か所に集約しない。
合理的に解釈すればIRは広域でも問題ない。7つのエリアにIRを点在させる。
北九州空港島、新門司・喜多久エリア(←メインらしい)、JR小倉駅北口、藍島(小倉北区)、馬島(小倉北区)、若松など。
ホテル、ショッピングモール、スポーツ施設、カルチャー、会議(MICE)、フィルムメディア、アミューズメント施設などを分散。※インフラを含め広域に渡る大事業です。
これはIR事業者(外資)による北九州市全体の「巨大再開発」だと思いました。
都市の企画、大型開発を外資に委ねることになります。
②既存の施設を有効活用する
会議場や展示場(?)→ 政府が決定したIRホテル客室は10万平方m超。
会議場・展示場は「最大の会議室の収容人数が6000人以上で、展示場の床面積が2万平方メートル以上」とハードルが高い。
今ある小倉駅北口の国際会議場、展示場では条件をクリアできませんが、既存施設は有効活用とのことですので、「広域IR」ならば「既存+新規の合算」でOKということなのでしょうか?(それでOKなら政府の条件も いい加減だなと思います)
追記:佐世保IRは既存ホテル+新規、千葉市幕張IRは既存展示場+新規を検討とのこと。
北九州方式の広域IR(飛び地)はIR法にある「一団の土地」に抵触しないのか。
それぞれのエリアの移動手段も事業者負担ということで「一団の土地」と見なすのか?
③藍島(小倉北区)はVIP向けの高級にエリアに。
島にはVIP専用の国際会議場もつくる
水上の移動手段も構築する※「一般人向けカジノ」とは別に「VIP向けカジノ」構想もあるらしい
④北九州空港の拡充、空港アクセス鉄道、高速道路、フェリーターミナルなど、インフラ整備はすべて事業者の負担で良い(えっ!)
⑤市が得るカジノ入場料(1人3000円)とは別に、北九州市に1億ドルの寄付をする(!!)
⑥マカオ大学と北九州市立大学が連携し、カジノ人材の育成や依存症対策にあたる
※立教大学がマカオ大学と組んでIR 業界で高度な専門性を持つ人材の育成にあたることが発表され、学者らから批判を浴びたのが記憶に新しい
⑦女性と障害者雇用を支援する
⑧2年の建設期間で、直接雇用10万人+派生する雇用者多数
⑨犯罪組織を抑えられる自信がある
その他の動き
<福岡県との関係>
●北九州市は政令指定市であり、国にIR区域整備計画の認定申請が可能
●小川洋・福岡県知事は、北九州市がIR誘致を決断した場合、サポートの姿勢<北九州市の強み:地方部最大級のポテンシャル>
●北九州市は、九州と本州の接続点に位置する
●北九州市をアジアの光と位置付ける。
IRは、訪日外国人観光客をゴールデンルートから、中国、九州地方に引き寄せ、周遊させるゲートウェイの役割が期待できる
●日帰り圏内(小倉駅から1時間移動圏内)に、5県(広島県,山口県,福岡県,熊本県,大分県)の中心部を含む
●5県計の総生産は47兆円。
北海道など地方のIR誘致エリアの日帰り経済圏は20兆円ほど。北九州市のIR経済条件は、地方では突出、最大級
●自然災害が少ない
●税収300億増?
市民の皆様、とにかく今後の動きにご注目ください!